2011年4月28日木曜日

被災地訪問のまとめ

1.提案

とにかくなるべく多くの人が現地を訪れるべきだと、今回訪問した4人の総意として考えています。

聞いた話に頼っても、現地が今どのような状況なのかよくわからないのは皆さん感じていると思います。
この震災で浮き彫りになった様々な現代社会の問題を直視せずに今後の社会を作ることは不可能ではないでしょうか。
また瓦礫やヘドロと闘っている現在はとにかく人手が必要です。行けば何かしら役に立てることがあるはずです。
ただし現地の悲惨さは予想以上で、精神的にも肉体的にもかなりの疲労があるので健康で体力があることは前提だと思います。
カメラを持ったこぎれいな格好の人がふらつくのを快く思わない人もいるでしょう。マナーに十分注意するのは絶対です。
また津波被害のない地での復興や仮説住宅地でできることもあるかもしれません。自分にできることを冷静に考えて行ける人は行くことを強くお薦めします。


2.関連リンク

松村善行さん(NPO法人石巻スポーツセンター理事。個人でボランティア派遣活動をしている)のblog。現地のリアルタイムの活動がよく伝わってきます。

wiki3.11 
YGSAの学生を中心に運営される震災関連wikiサイト

メンバー個人のblog
小泉blog

石塚blog

横浜国大建築計画研究室blog
筆者(堀田)が所属研究室視点での報告をしています。

堀田浩平

被災地訪問の報告1

まず今回の震災により亡くなられた方々のご冥福を心よりお祈り申し上げます。



 東北地方太平洋沖地震の発生からほぼ1ヶ月となる2011年4月9日、10日の二日間、仙台市と石巻市を拠点に被災地域を訪れ、物資支援、視察、ボランティアをしてきました。
 メンバーは石塚、小泉、加瀬、堀田です。
 以下に記録としての報告を簡単にさせていただきます。

1. ダメハウスへの建築模型材料、道具の提供(4/9)

東北大学五十嵐研M2の加藤拓郎さんのツイッターによる呼びかけに応じて、被災地域の建築学生が通常の勉強を続けるための物資を出発前に収集(新品も購入)して届けさせて頂きました。
横浜国大建築学コースの学部、大学院両方からたくさんの材料が集まり無事に届けることができました。提供して頂いた皆さん本当にありがとうございます。



2.津波被害地域の視察(4/9)

ダメハウスへ物資を届けた後、太平洋沿岸部の幾つかの地域を車で回りました。
仙台市内→塩釜港→松島→若林区→名取市沿岸部→仙台空港周辺部→AEON名取店→ダメハウス(宿泊)というようなルートをとりました。
仙台中心部を出て少し車を走らせると信号の消えている交差点や津波による瓦礫等はみるみる増えて行き、沿岸部に着くとTVで見たそのままの壊滅的な風景をいたるところで見ることになりました。ただ潮風やヘドロまじりの独特の匂い、すれ違う人々の表情や街全体を包む雰囲気など、実際にその風景を体感することは予想以上にギャップがあり、皆大きなショックを受けました。

津波による被害の性質は地域のよって様々な特徴があり、全てが流され何もないところ、運ばれた瓦礫が積もっているところ、わずかな地形の違いでまばらに倒壊しているところなど、津波被害にも様々な状況が見てとれます。また壊滅地域のなかでぽつんと倒れず残った木造家屋もあれば、その近くにぐにゃぐにゃに曲がった鉄骨造もあるなど、被害状況を一概に説明することは難しく、津波被害がどれだけ人智を超えたものか思い知らされました。


また、その後行ったAEONは一部ですが営業を再開しており、ものすごい数の人が買い物に来ていました。それでも巨大な商品を管理する仕組みが功を奏し、商品は十分に揃っていてたくさんの人の生活を大きく助けているようでした。


3. 石巻ボランティア活動(4/10)
二日目は石巻市に移動し、主にボランティア活動をしてきました。
石巻高校の避難所で松村さんという、現地で個人的にボランティア仲介などの活動をしている方(http://blog.canpan.info/suport2007/)に出会うことができ、行政を介さず身軽に幾つかの住宅や店舗の片付けなどを手伝わせて頂きました。

中里町は自治会がしっかり機能し、ゴミや瓦礫を公園に集めるだとか、大きな電化製品はもうしばらく我慢して各家庭においておくといった独自にルールを決めているそうです。おかげで他のエリアのように道ばたに延々と瓦礫が積み上げられることはなく綺麗に片付いた街並が取り戻されつつありました。
外を出歩く人はとても多く、顔見知り同士での情報交換や助け合いが賑やかに行われていました。皆とても明るくこちらが逆に励まされてしまいました。

数件の店舗や住宅を簡単に手伝った後中華料理屋、石巻飯店へ。ここは津波で運ばれたヘドロが大量に残っており、それまでと桁違いの大変な作業でした。大量の水分を含んだヘドロは非常に重たく、匂いも強烈で、たった一軒を大人の男10人で取り組んでも気が遠くなるものでした。


4.石巻市内視察(4/10)
夕方頃にボランティアを終え、石巻高校で実施された間仕切りプロジェクト(http://majikiri.wordpress.com/を見た後、沿岸部の壊滅地域を見てから帰路に着きました。

武道館に設置された布の間仕切りは、生活スペースと、映画上映などのイベントスペースを仕切るものとして機能していました。


沿岸部は地震、津波、火事が重なり前日見た被災地ともまた違う被害状況が延々と続いていました。丁度日が沈む頃に見学を終え、仮眠をとりながら帰宅しました。




堀田浩平

2011年4月5日火曜日

東北地方被災建築学生への模型材料・模型道具支援のお願い

東北地方被災建築学生への模型材料・模型道具支援のお願い
2011/04/05
Y-PAC


1. はじめに
私たちは、今回の地震の後、自分たちに出来る事はいったいなんだろうかと考えていまし
た。色々と考えた中で、やはり建築や都市に関わり、そして次世代を担っていく自分たち
は、現地の被災の状況を今見ておくべきだという一つの考えに至りました。4/9、10 と一
部のメンバーで仙台を中心に、被災地の状況を直接見てくることにしました。色々な批判
はあると思いますが、その批判に関しては、私たちは今回の行動を将来社会に還元するこ
とで答えて行きたいと考えています。


2. 東北地方被災建築学生への模型材料・模型道具の支援
Twitter 上などで、東北大学の五十嵐太郎先生や建築学生(@kato_gon さんなど)が、模
型道具・模型材料の支援を求めています。というのも、大学が立ち入り禁止になるなどし
て模型道具や材料が手元になく、被災状況が比較的軽微な地域でも、建築学生の活動に大
きく制限がされてしまっているから。また、今後も長期的に被災地域での材料や道具の入
手が困難になることが予想されます。そこで、学生がシェアして使う道具や材料を募集さ
れています。
すでに、ある程度の数の模型道具などが各地から寄付される予定のようですが、私たちも、
現地に行くに当たりそれらの物資を寄付したいと考えています。個人で送ると輸送費もか
さむので、集約して届けたいと思います。
つきましては、皆さん、特に学生の皆さんに不要になった模型道具や模型材料の寄付をお
願いさせていただければと思います。


3.募集物品
募集物品は現地の学生からの要望を反映して、以下のものを募集します。
スチノリ、スタイロ、スチボ、スチペ、トレペ、メンテ、ドラテ、カッターマット、カッ
ター替刃、三スケ、金尺、スコヤ、ヒートカッター、プリンタ、など
長期的に不足するであろう、模型材料など消耗品を特に寄付いただきたいです。
輸送する車のサイズの問題がありますので、最大で A1 サイズまででお願いいたします。
なお、物品は使用済みのものでも大丈夫ですが、著しく破損・汚損しているものは避けて
ください。


4.募集期間・場所
物品は以下の期間・場所にお持ちください。回収 BOX を用意しますので、氏名、所属、
寄付いただく物品など必要事項の記入をお願いします。
建築学棟 7 階 4/7(木)7:00~21:00 、4/8(金)7:00~18:00 担当:堀田(2 講座、M2)
なお、物品ごとの寄付いただいた量や、全体の量、大型の物品の量などを見た上で、物品
ごとに締め切りを早めさせていただく場合がございます。あらかじめご了承ください。5.報告会の予定
現地での見学の報告を、戻ってきた後になるべく早期に行いたいと考えています。現地に
行かないメンバーで詳細をつめておりますので、決定しだいお知らせいたします。
その際、皆様からいただいた物品の寄付に関しても直接ご報告させていただくとともに、
WEB 上でも報告させていただく予定です。


6.直接の寄付について
期日に物品などをお持ちいただけないけれども、寄付をしたい方がいらっしゃいましたら、
@kato_gon さんに直接お送りしていただくのがよいかと思います。Twitter 上に公開され
ている送り先は以下になります。


〒 980-0853 宮 城 県 仙 台 市 青 葉 区 川 内 大 工 町 10-2 ダ メ ハ ウ ス 加 藤 拓 郎
gonkato@gmail.com
なお、事前に連絡をしていただくことをお勧めします。


7.連絡先
この件に関してのお問い合わせは、Y- PAC 石塚直登(Y-GSA、M1)までよろしくお願いい
たします。
Email: naoto-69@mbc.nifty.com
Tel: 090-5758-4246

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